カエル捜索記①
最近の夜、夢の世界にトリップしようとすると必ず邪魔してくるやつがいる
そう゛ウシガエル゛である
3日前の夜から鳴き始めて最初の1分ぐらいは
「まあこんな時期だもんね、大いに鳴きやがれ少年!」
なんて心の広いあたしは思っていたのだが、それが1晩中続くとなると話は変わってくる
それになんてったってdB数がおかしい
君はサンシャイン○崎か
多分皆は
「ウシガエルが夜うるさくてよぉ!眠れねえんだよベイベー!」
と辛さを涙ながらに訴えても
「え〜そんなの気にしすぎだよ!」
と言うのだろうが、そういう人は1回家に泊まりに来て欲しい
まあここまで言っておいてなんなんだという感じだが
これを見て
「カエルの声を聞きながら眠るなんて、自然との共存って感じでワクワクしちゃう!あなたの家に行くわ!」
って思われた方はこのご時世で来られても迷惑なので、生霊を飛ばすぐらいにしておいて欲しい
最初の2日間は
フクロウみたいな鳴き方で
「カエルなんだかフクロウなんだか分からんハッキリしやがれ!」
といった感情を懇切丁寧な言葉でイライラしながら友人に愚痴っていたのだが、昨日はご丁寧に2オクターブ使い分けて鳴いていたので
「おー今日はセッションかすげえな」
なんてちょっと感心してしまった自分を殴りたいところだが、殴ろうと振り上げた拳はライブの炎天下奪取の時の為に取っておこうと思う
そんな鬱々とした感情を抱えながらスパゲティを食していた今日の昼
自分の中のファーブルが
「おいお前、どうせならカエルの居場所突き止めてこいよヒーハー!」
と囁いたので、急遽ウシガエル捜索の旅に出ることにした
お供に7歳下の重機大好き、趣味は交通整理の弟を引き連れ
右手には郵便物を持ち
バックミュージックはドラクエ5のマップ音で近所に繰り出した
意気揚々と坂道をくだり、硬いドアを必死に開け、紆余曲折ありながらもなんとなく当たりをつけた自宅から徒歩1分のドブになんとかたどり着いたが、そこにはカエルどころか水もなかった
5分程その周辺を探してはみたが、見つかったのは謎の雑草だけ
そのことに急に嫌気がさしたのでさっさと家に戻ることにした
とまあそんなこんなで、あたしと弟の旅第1弾(10分)はこうして幕をとじた
ちなみに郵便物はちゃんとポストに入れることに成功しました
忘れなかったあたし偉い
帰り道の途中、あの憎きウシガエルはもしかしてあたしに構って欲しいのでは
少女漫画によくありがちな好きな子はいじめたくなってしまう、そんな原理なのではないだろうか
かまちょなのかチミは
なんて考えにたどり着いた
ウシガエルといっても生き物という括りにおいては人間だってウシガエルと一緒じゃないか
なんでその事に気づかなかったんだあたしは
いやーそうだとは気づかなくてすまなかったね
これからは2人仲良く共存していこうではないか
あっ君のその歌声、とってもチャーミングだよははっ
とか言っている自分の姿も一瞬頭に浮かんだ
しかし
あたしは少女漫画の男キャラの受け入れ態勢が仙人並の主人公でも、世界を救う勇者でもないのでウシガエルの所業を許すことは出来ない
絶対に捕まえて開いてやるから
待ってろよウシガエル
ウシガエルとあたしの戦いはまだまだ続く
それでは